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株式会社アテナ

Dr.stoneの劇伴は何故あれほど心が揺さぶられるのか!?

日本のアニメのクオリティの高さは世界に誇るレベルであることは、最早誰も疑う余地はないのではないでしょうか。しかし、SNSなどでよく目にする「神アニメ」と呼ばれている者に対する評価はそのほとんどが作画や声優の演技、よくてオープニング曲が褒められている程度だったりしませんか?
皆様あまり話題には出しませんが、良いアニメというものは実は例外なく劇伴が印象的なものが多いのです。
その点を鑑みても、Dr.Stoneは非常に見ごたえのある素晴らしいアニメだったと思います。

Dr.Stoneの劇伴の素晴らしい点

1.世界観を如実に表している曲が豊富
世界の広さを表すような少し寂しいメロディは、イリアンパイプスの力強くも優しい音で表現され、ともすれば少し不気味に感じるような体鳴楽器の音は孤独感を、打楽器は生きる力を、その音の中にフルートが入ってきた時の高揚感や安心感。ピアノやバイオリンなどの聞きなれた音以外に使われる民族楽器による原始の世界の胎動の表現は、何故かとても懐かしく感じる。

2.登場人物の心情や性格にマッチしている
一度アニメを見た後にサウンドトラックを聞くと、劇伴が使われている場面が目に浮かぶ。これは非常にスゴイ事だ。タイトルを見なくても「この曲はきっと司のテーマソングだな」とわかる。歌詞(言語)などではなく、音だけでそのキャラクターを表現出来ているという事だ。

3.RPGなどにも通ずる音楽なので、入り込みやすい
これは筆者がその世代だからというのも往々にしてあるが、個人的に昔のスクウェア作品、中でもクロノ・トリガーに通ずる世界観があると感じた。同じく「時を超える」物語だからその壮大な世界観に似通った何かを感じたというのもあるが、使用楽器に民族楽器が多数使われているという共通点も大きいだろう。(とはいえ、クロノトリガーの音楽はスーパーファミコンの音響で聞いているので限界はあるけれど。)

原風景を感じる理由

何故、聞きなれていないはずの民族楽器の音がどこか懐かしく感じるのかはわかりませんが、Dr.Stoneの曲を聞いて何となく懐かしいと感じる人は多い気がします。
筆者は作曲家としても活動しており、音楽理論をかじっておりますが、例えばメジャーコードに明るい響きを感じ、マイナーコードに暗い響きを感じたり、ディミニッシュには恐怖を感じるなどといった理論、トニックには安心感、着地。サブドミナントには浮遊感などなど「音階」に感情が揺さぶられるというものは教科書に載っているものの、楽器自体が発する音にそのような力があるとは、少なくとも聞いた事はありません。
しかし、民族楽器などに慣れていない我々ではわからないようなその音の力を、さらに作曲マジックによって生み出された音階による感情へのアプローチで倍増させているからこそDr.Stoneの劇伴には、原風景を想像できるような力強さが宿っているのかと思います。

というわけで、Dr.Stoneの劇伴は、何故あんなに心が揺さぶられるのか。その訳は
時間を超えるという非常に壮大な世界観、現代の科学知識で原始に戻ってしまった世界の科学レベルを現代にまで引き戻し、世界中の人間を救うという使命を表したようなワクワク感などを、様々な民族楽器で奏でているからこそアニメを見ていた人たちに郷愁と高揚を感じさせることが出来たのではないかと思います。

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