ようやくアマゾンプライムで見られるようになったかと思ったら、リバイバル上演も決定した。その人気は衰えることを知らない。
上映までネットでは完全に情報を伏せられていたため、どこまで話していいのかが気になる所だが、あえてここを見る人は既に見た人だろうということを見越して今回はネタバレ全開で行こうと思う。
この映画は、SLAM DUNK原作での最終戦に当たる最強・山王学園との対戦がメインになっている。
そこにピアスという特別読み切りがうまい具合にフィットし、湘北高校の一番のチビ(褒めてます)宮城リョータが主人公として描かれている。
物語冒頭、暫くはリョータの過去の話から入る。そんな過去を抱えていたのかとあまりに重すぎるお話に若干心が病みそうになる。
しかし、湘北高校には、リョータの過去を気にする人は一人もいない。
そもそも話さない質なのか、どうかはわからないが、みんな気にする気配はない。みんな喧嘩しながら仲良くやっている。
(『俺たちは仲良しではない。むしろ嫌いだ』と赤木は言っていたが)
しかし、試合が始まってみたら大差をつけられ湘北はいきなりピンチに立たされる。
今回の劇伴作家は大きく分けて二人いる。武部聡志や10ーFEETのTAKUMA。
武部聡志氏は、ドラマや映画、アニメもやっているが、どちらかというと、歌の編曲が多く有名どころだとKinki Kidsの全部抱きしめての編曲などを手掛けている。劇伴作家としては香取慎吾主演のTVドラマ『西遊記』『ココリコ坂から』などがある。
10ーFEETは、2001年にデビューし、その華が咲くまではかなりかかったが、今回の主題歌担当で誰もが知るロックバンドとなっただろう。ちなみに10ーFEETとは、バスケットボールのゴールの高さであるおよそ3メートル、ジャンプしても「届きそうで届かない距離」(10フィート=約3メートル)の意も持つらしい。
さて、劇伴を見ていこう。
今回は担当が見事に分かれていて静かな部分は武部聡志氏、試合中の疾走感ある場面は10ーFEETのTAKUMAと役割分担されている。
まずはOP。鉛筆で描かれながら、登場する湘北チームの姿を表現したOPの『LOVE ROCKETS (Movie Ver.)』
これがまずカッコいい。今回の主人公・宮城リョータ、3Pの名手・三井寿、ゴリこと赤木剛憲、そして生意気なスーパールーキー・流川楓。
そして、最後に登場するのは、やはり問題児・桜木花道。
そして山王の選手が降りてきて……
カッコいいOPシーンは是非劇場かアマプラで!
次に紹介するのは『俺の名前を言ってみろ』こちらは武部氏のアレンジで、へとへとになって、敵からもコイツはもう限界だろうと見放されている。直接的な描写はないが、三井は元不良でタバコなどを吸っていたため、体力がとてもない。しかし、どこからその気力がわいてくるのか、ボールを持ったら必ず3Pを決めてくれるという実力者である。宮城との過去の回想シーンも流れ、原作を知っている人はうるっとくるシーンだ。
そして最後、この映画には無音状態が存在する。正確には無音ではないのだが、このサウンドトラックには入っていない全セリフがカットされた、原作再現のスリリングな残りタイム30秒の激闘が待っている。この瞬間は、SEに近いBGMが入っている程度で、音すらもどこかに置いてきて、劇中にのめりこんでしまうシーンだ。
数多く映画を観てきたが、音なし台詞なしで見せる映画は今回が初めてだった。
最後にこの映画のPVを観ながらお別れをしよう。