逆転裁判が巻き起こした影響はものすごい。
TVドラマで弁護士モノというジャンルは昔からあったのだが、それをとてつもなく面白いゲームに落とし込んだ。
その影響はすさまじく、今まで映画化、舞台化、アニメ化までされている。
逆転裁判シリーズは現在までで6まで。ライバル検事の御剣が主人公になった逆転検事は2まで。
そして今回紹介する大逆転裁判も2まで出ている。
しかしこちらは完全なる続きもので、1の成歩堂龍之介の冒險は物語の前編的内容となっている。
今作は従来の逆転裁判から遡ること明治末期。
成歩堂龍一の先祖ともいえる成歩堂龍之介が主人公で、法の留学生として、英国へ渡って、そこで起きる様々な事件を弁護士として解決していく物語だ。
歴史ものとしては、厳密に言えば辻褄が合わないところも多々あるが全体的には様々な史実を取り入れながらも、完全にエンターテイメントに振り切って書かれている。
具体的には、あの天下の名探偵シャーロックホームズが登場したり、『吾輩は猫である』の作者・夏目漱石が登場したりする。
夏目漱石が英国に留学していた頃の話は小説や舞台化されており、有名なところでは天才脚本家・三谷幸喜による舞台『ベッジ・パードン』。
そして小説では柳広司氏が書いた『吾輩はシャーロックホームズである』という夏目漱石が自分のことをシャーロック・ホームズだと思い込んでしまうという面白ミステリが二作品出ている。
ゲームの時代設定は明治30年ぐらいだと語ったらしい。
夏目漱石が英国に言っていた時代や年齢などを考えると、1900年だと推測されるが、他にも時代が合わない様々な要素が組み合わさっており、ハッキリとした年代はわからない。
シャーロックホームズがちょっと推理ミスしたところを成歩堂龍之介が補完しながら推理する『共同推理』というシステムが追加された。
まるでワルツを踊っているかのように、『共同推理』という劇半に乗せて、推理が展開されていくさまは操作していてとても気持ちが良い。
今回の劇伴作家はカプコンに所属するサウンドチーム。前馬宏充氏と北川保昌氏だ。
前馬氏は『モンスターハンターストーリズ』北川氏はカプコンに入る前にコナミに在籍しておりそこで『パワフルプロ野球』や『パワプロクンポケット』シリーズの楽曲を手掛けている。
『成歩堂龍之介の冒險』の中で奏でられる音楽は、従来の逆転裁判を明治レトロ風にアレンジしたものが多い。
これは実際に聞いてもらった方が分かりやすいかもしれない。
まずは元祖逆転裁判のメインテーマと言える『成歩堂龍一~異議あり!』
そしてこちらが、今回のメインテーマともいえる『成歩堂龍之介~異議あり!』
逆転裁判の要素も素直に継承しつつ全体的にモダンチックに仕上がっていることがお分かりいただけるだろうか?
他にも『大逆転裁判~開廷』『証人たちは入廷する』『大尋問~モデラート』など、従来の逆転裁判の要素を残しながら明治レトロ風にアレンジされているのがよくわかる。
さて、今回紹介した大逆転裁判~成歩堂龍之介の冒險~は前著したとおり物語の前編にあたる話だが、今ではSwitchにて1・2セットで購入できるし、3DSで買うより更にお得だ。
しかし、ここではあえて、3DS版の大逆転裁判~成歩堂龍之介の冒險~のPVを紹介してお別れしよう。