スパイ映画と言えば何を思い浮かべるだろうか?
ミッション・インポッシブル。最近で言えばスパイファミリーもそれにあたるのかもしれない。
しかし、その中でも一番息が長いのが007シリーズだろう。
『ドクターノオ』から続き、最新作『ノータイム・トゥ・ダイ』まで全25作品。
そのうちの20作目から25作目までの007ことジェームス・ボンドを演じたのがダニエル・グレイグである。
当初は、初の金髪男性ということもあって、ボンドのイメージに合わないのではないのかと言われていたが、蓋を開けてみればダニエル・グレイグが一番だという声が殺到した。007シリーズは全作見ているが、個人的にはその意見に大いに賛成だ。
ちなみに連続でボンドを演じるのはロジャー・ムーア(全7作)、ショーン・コネリー(全6作)と歴代のボンドの歴史の中でも比較的長い。もう、『ノータイム・トゥ・ダイ』で、ダニエル・グレイグのボンドの物語は完結しているので、次回からは別のボンドの登場となる。そちらも、ファンにとっては待ちきれないだろう。
さて、今回のカジノロワイヤルは、久しぶりに原作があり、『カジノロワイヤル』は小説家・イアン・フレミングの007デビュー作に当たる。カジノロワイヤルがTVドラマとしてヒットして、好評だったため、本格的に映画として参戦しようということになった。映画になったのは『ドクターノオ』からで、『黄金銃を持つ男』まで(更に言うと短編集の『オクトパシー』まで)イアン・フレミングの原作となる。
カジノロワイヤルも一度映画化されているのだが、こちらは製作元が違うため、外伝的な扱いになっている。現代では視聴がとても困難で私も見たことがない。
さて、今回のカジノロワイヤルは、流石に時代背景が違うので、原作とは大きくかけ離れているものの、ボンドが007になる物語である。
スパイ映画なので政治的要素が加わり、そしてセリフも決して多くはないため、何が行われているのか説明不足なまま話は進むが、イントロダクションの冒頭部分で、ダニエル・グレイグボンドの物語としては完璧なのである。そのまま見ていくと、エンディングでもカッコいい台詞が。
劇伴を見ていこう。劇伴作家はディビット・アーノルド。007シリーズで有名だが、『GODZILLA』(チビッコイ方の)なども手掛けている。
最初に紹介するのはトラック8『Miami International』飛行場での逃亡劇のシーンで流れる緊迫感溢れるシーンだ。とにもかくにもやること全部ハチャメチャである。スプリンクラー勝手に発動させたり、滑走路で飛び立つ飛行機の下をくぐっていったり。一応、爆弾魔が、その日お披露目だったジャンボジェット機に爆弾取り付けることが目的らしいのだが……。
次に紹介するのがトラック25の『The Name’s Bond... James Bond』。もうこれ、タイトルからネタバレなので詳しく言えないのですが、聴けばわかる通りボンドのテーマです。これが流れるシーンが神がかっていて……もう最高です。
というわけで、最後は恒例のディザーを見てお別れしましょう。