大学の期末テストで、隣の席に座った学生が、今回のテストに自信がないという学生に言っていた。
「足りないものは、勇気で補えばいい!」
当時は何かすごい言葉だなと思ったが、これが勇者王ガオガイガーのセリフだと知らされるのは数年たってからだった。
勇者シリーズは、1990年放送の『勇者エクスカイザー』に端を発し、1998年まで連年にわたって制作された、特定の原作を持たないオリジナルのロボットアニメ群であり、制作には名古屋テレビとサンライズ、メインスポンサーである玩具メーカーのタカラ、広告代理店の東急エージェンシーが関わっている。
トランスフォーマーのような変形合体する玩具を日本製で販売しようというコンセプトがあったのだが、そういう点では、最後だから振り切ったのだろうか、勇者王ガオガイガーはマニア層の人気が異常に高い半面、子供受けはそれほどせず、玩具は全く売れなかった。というものの、これはサンライズがバンダイの傘下に入り、タカラと一緒に作品を作るのが難しくなっていったかららしい。
とはいえ、勇者王ガオガイガーの出来は素晴らしい。ガオガイガー18話にこんな話がある。 事の発端はGGGベイタワー基地をGアイランドシティごと動力炉の熱暴走で爆破しようと目論み『ゾンダー化』した元GGG職員犬吠埼実により、ボルフォッグ以外のビークルロボが起動不可。『ガオーマシン』の合体プログラムもハッキングから逃れる為に初期化した理由からプログラムの起動も取れなくなり、GGGメインスタッフの手で実行された。麗雄は『ライナーガオー、火麻はステルスガオー、ウッシーはドリルガオーへと其々搭乗。そして、マニュアルでガオガイガーの合体をしようとするのである。
オペレーターチーフの猿頭寺のサポートで成功率は約60%になり、合体に参加したメンバーやビッグボルフォッグの請願に応え、残りは各々10%づつの勇気で補いあい承認。
この時の成功率は30%。シミュレーションしていない極初期段階の「限りなくゼロに近い」よりかは遥かにマシである。
この時も、「足りない部分は勇気で補えばいい!」というセリフが出たような気がするのだが……。
さて、劇伴作家は田中公平。機動武闘伝Gガンダムやサクラ大戦など、熱い作品の音楽を担当することが多いが、今回の劇伴も熱い。
まずは『ファイナルフュージョン』獅子王凱がメカノイド・ガイガーに変身し、そこから3機の支援メガ・『ガオーマシン』と合体してガオガイガーになる時に流れる音楽で、合体に関してはGGG長官の承認が必要不可欠である。
次にヘル・アンド・ヘブン。それは、攻撃と防御のエネルギーを一つに合わせたガオガイガー最強の必殺技である!この時の音楽がまた熱い!
最後に勇者王ガオガイガーの一話目を見ながらお別れしよう。