前回のレポートでは、京伴祭の豪華すぎるほどのオープニングと、人気声優さん達のゲストイン、そして京伴祭との公式コラボアニメ「青のミブロ」についてのコンセプトムービー、そしてオープニングアクトとして林ゆうき先生作曲の青のミブロのメインテーマとなる「モノノフ」の演奏で京伴祭が始まった、という所までを書かせていただきました。今回は京伴祭本番のトップバッター「小畑貴裕先生」にフォーカスしたレポートをお届けします!
モノノフの演奏が終わり、すかさず今回の京伴祭一番手となる劇伴作家小畑先生の登場!割れんばかりの拍手で登場した小畑先生に林先生から「さっき(小畑さん)ビール飲んでたよね?(笑)」と。「あれ、バレてましたか」と小畑先生。今回の京伴祭では、クラフトビールが好きな林先生が、祭り好きによる祭りのためのクラフトビール開発である「HINO BREWING」と共同開発したというこだわりのエール「京伴え〜る」が販売されているのだ。ビール飲んでたと指摘した林先生も実は京伴え~るをすでに飲んでしまっているとのこと。それだけ美味しいビールならば、しかもお祭りならば楽しむのが正解という事でお客さんからも「飲みたい!」という声が続出していた。筆者もビールは御多分に漏れず大好物であるが、流石に外部ライターで仕事に来ている関係上、終わってから楽しむことにしようとライブ中は我慢した。そして京伴え〜るは予想よりも早くあっという間に売り切れ、ついに飲むことはできなかった。無念。
ドリカンで発売されていた京伴え~る。美味しそう…!
さてそんな小畑先生、20日の前夜祭で京都駅前で演奏していたにも関わらず、21日は広島でライブがあったのだそう。声優の「水瀬いのり」さんのライブで前日出演し、今朝京都に駆けつけたとのこと。お疲れ様です…!
まずは約束のネバーランドからの楽曲!メインテーマの中のイザベラの歌、スペシャルアレンジバージョン。
PA裏からの景色。前に行って盛り上がりたくなる気持ちを抑えて撮影。
後ろに約ネバの映像が流れはじめる。約束のネバーランドは言わずと知れた週刊少年ジャンプで2020年まで連載されていた大人気作品。様々な孤児が集まる孤児院で育った主人公たち。しかしその孤児院には秘密があり、集められた孤児たちはこの世界の頂点捕食者である「鬼」のための食肉として育てられている、という恐ろしい事実を知った主人公たちは、孤児院からの脱出、そして平和に暮らせる世界を目指して旅立つという物語だ。
美しい旋律から、少し不穏なピアノ。そしてドラムが入り、映像では日常を映し出す。世界観と旋律が非常に合っている。美しい森の中をかけるキャラクターたち。音楽も決意、決別、これから起こる運命に立ち向かう力強さを表すかのように、メロディが穏やかなものから切ないもの、そして少しずつ勇ましいものに変わっていく。
バンジョーの音だろうか?耳慣れない弦楽器の音がソロで流れ、ストリングスの音がかぶさってくる。シンフォニックな美しさが京都劇場を包む。日常からぬけだし、過酷な運命を乗り越えていく芯の強さを感じさせる音色が素晴らしい。
次は「ニンジャラ」という作品のラストバトルという楽曲。原作はアニメではなくアクションゲームという事で、楽しい雰囲気の楽曲が多いが、このラストバトルは緊張感のあるフューチャー・ジャズというような印象のカッコイイ楽曲。
監督が悪ふざけで言った「今回の劇伴はジャズ縛りで作っちゃおうか?」という鶴の一声で出来上がっていった劇伴とのこと。
劇伴作家にかかればジャズもこんな解釈になるんだ…?という印象の曲。勇ましさの中に、ノリの良さがある。ドラムの四つ打ちとベースのリズムが気持ち良い。
各所で入ってくるサックスの音がカッコ良く印象に残る。トランペットやトロンボーンのメロディが会場の雰囲気をグッと盛り上げる!そしてキメがいちいちカッコ良くてしびれる!とにかく、音楽の楽しさが詰まったような、音楽って自由なんだ!という根源的な楽しさを味わえる名曲だ。
小市民シリーズからの楽曲「メインテーマ」にて小畑さんのラストソングとなる。観客からは「えー!」の声が。普段、筆者も札幌でライブハウスに勤務する事がたまにあるのだが、アニメ好きのお客様はこういった「お約束」ともいえる部分、息があっていて面白いなあと感じる。
さて、小市民シリーズのメインテーマ、ボーカル入りの演奏である。前夜祭でも披露してくださっていた楽曲なので、是非詳しい楽曲解説は前夜祭の記事をチェックしていただきたい。本当にメロディの美しい名曲だ。
変拍子多様の楽曲なのに、聴いていてそう感じさせないのが作曲家としての凄み。筆者も音楽をやるので拍をとりながら聴いていると「ん?ええっ!?」とドキッとする場面が多々ある。しかし意識しないと普通に耳馴染みよく聞こえるのが本当にすごい…
万雷の拍手の中小畑先生の出番が終わり、休憩が挟まれる。良いところに編集点が入ってくれたようだ。レポートも次回に続く。