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株式会社アテナ

オシャレでレトロで新しい!ダンダダンの劇伴の意外性について

ジャンプ+で一番アニメ化を心待ちにしていた作品はこのダンダダンでした。アニメ・漫画好きというのは厄介なもので、楽しみにしている作品ほどちゃんと期待通りの映像作品になるのかどうかでヤキモキするのもまた常であり、ああ劇伴は誰が担当するんだろう、制作会社はどこなのか等々、好き勝手言える立場を最大限に活かした「面倒くさい期待」を我々、いや少なくとも筆者はずっとこの作品のアニメ化に対して抱いていた。


そしてこれほどの作品であれば特に説明不要だろうと説明をすっ飛ばしてしまうところもアニメ・漫画好きの厄介な所で。ダンダダンは龍幸伸先生が描くオカルト・怪奇バトルラブコメ漫画。一言で表そうとするとこんがらがってしまうほどに複雑で重厚な漫画なのに、常軌を逸した画力の高さ、表現力の豊かさでサクサク読めてしまう所が最大の魅力。小難しくなりがちなオカルト話も、読ませるスピード感でさらっと頭に入ってくる。それでいて薄味にならない(現に、オカルト誌としては日本一有名な雑誌「ムー」にてダンダダンがオカルト好きにはたまらない作品と称されている)。普通であればそこにラブコメ要素なんて混ざりようもないのに、説得力抜群の見せ方でグイグイ読者を引っ張っていく作品力で全く破綻することなく物語に花を添えている。とんでもなく高い画力で作品に説得力をもたらし、キレッキレのバトルシーンがかける漫画家という意味では、鳥山明先生並みだとすら思う。

そしてそんなダンダダンのアニメ劇伴はやっぱりこの方!牛尾憲輔先生が担当。世界観とビシッと合っていてかつ、お洒落な劇伴を注文させたら天下一品極まれり。ちなみにYouTubeにオフィシャルからサントラに先駆けてアップされているので是非聞いてみて欲しい。 paranormal funk(「ダンダダン」オリジナルサウンドトラック) 2024/12/18 発売

このパラノーマルファンクという楽曲だけとっても、一聴するとサウンド的には筆者より上のディスコ世代が好むようなリズムセクションのように感じるが、あの頃っぽいゆったり感とはまたちょっと違う現代っぽいスピード感が表現されていて、どこか懐かしくも真新しいダンダダンにピッタリの劇伴になっている。

アニメ一話でも沢山の劇伴が使われていたが、リズムトラックやサウンドエフェクト以外はやはりレトロの良さという部分にフューチャーされた楽曲が多いのかな?と感じた。まだ現時点では第1話しか放送されていないが、これからどんな楽曲が流れるのか、今から非常に楽しみで仕方ない。

そんな作品内にあふれるレトロの良さは劇伴だけで感じたわけではない。なにせアニメOPの映像では、初代ウルトラマン(1966年)のOPを思わせるような原色のバックに影絵のように重なってくるキャラクター達。そして特にこの発想、凄すぎる!と感じたのはウルトラマンの特徴的なあの大きな目を、主人公の一人「綾瀬桃」の特徴的な大きなピアスが動きとともに目の部分に重なって一瞬止まるところ。思わずニヤリとさせられてしまいました。勿論ただのオマージュで終わらせておらず、Creepynutsの型破りなヒップホップやラップのノリとアニメーションの動きとがガッチリとハマっていて、お洒落で新しく感じられる。さらに言えば、エンディング曲では(多少ネタバレになるが)マスコットキャラのような見た目となったターボババアがずっと真夜中でいいのに。のお洒落な曲に合わせてとても可愛く動いている。アニメ好きにも「わかっているなあ」と思わせ、初見の方にも「おもしろそう、なんだかオシャレ、新しい!」と感じさせる。言うは易く行うは難し。それを狙ってどれだけのアニメがこけてきたことか。しっかりと両立できているバランス感覚が素晴らしい。
劇伴、OPやED曲、映像と全てに隙がないのだ。全方位に喧嘩を売っていき、そして全方位と友達になって帰ってくるかのような。スカッとした気持ちよさ。これはダンダダンの持つ特有の雰囲気としっかり合致している。このアニメ、成功しないはずがない。

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