日本語 English
劇伴音楽をわかりやすく世界に発信
株式会社アテナ

王道✖️王道?新しい魔法少女への切り口で描かれる株式会社マジルミエの劇伴は、今の所王道爆進中!

魔法少女モノと言えば、皆さんはどんな作品を思い浮かべるだろうか。古くは魔法使いサリーやひみつのアッコちゃんなどの子供向け作品、いわゆる東映魔女っ娘シリーズから始まり、80年代からのぴえろ魔法少女シリーズ(例:魔法の天使クリィミーマミ等)などの王道作品、90年代に入り様々なエッセンスが加わり進化していくきっかけとなる美少女戦士セーラームーンや魔法騎士レイアース、さらにはカードキャプターさくら、おジャ魔女どれみ、00年代以降の覇者プリキュアシリーズ、魔法少女作品に一石を投じたまどかマギカなどなど。魔法少女という一大ジャンルは年月とともに進化していき、色んな切り口からそれぞれの魔法少女が現在も生まれ続けている。かつては子供向け一辺倒だったこのジャンルはその進化とともに、そして歴史(自分が小さいころにこのジャンルにハマる、等)とともに、一部界隈では大きいお友達というミームが生まれるほどに大人のファンも増えてきた。株式会社マジルミエは、魔法少女の王道作品ではない。かと言ってまどマギのような明確な邪道作品でもない。マジルミエは、社会人向けの魔法少女作品なのだ。前述した大きなお友達というミームは女児向け作品をガッチリ視聴する大人に向けた言葉であるが、そうではなく、明確に社会人をターゲットにした作品だと思う。アニメの第一話で主人公の桜木カナは就職活動に苦労しているという極めて現実的なシーンから始まり、そして魔法少女という存在は大小様々な会社によって経営されるビジネスとして描かれる。そういった意味では邪道的なアプローチのように思うが、マジルミエはビジネス漫画として割と王道な描き方をしているので、やはりこのアニメは王道なのだと思う。

劇伴も、世界観に王道!

アニメ一話では、いきなり怪異と魔法少女の戦闘シーンから始まる。王蟲みたいな見た目の怪異に追われている最中にかかる曲は、現代的な音使いの緊張感のあるイントロから、疾走感のあるエレクトロニックなロックサウンドに。こういった音使いの劇伴で言えば攻殻機動隊やとある科学の超電磁砲などに近いような雰囲気の曲。魔法少女モノの劇伴にしてはハードなサウンドが耳に残る。

就活シーンでかかるBGMなどではアニメというよりはドラマの劇伴といった雰囲気の曲がかかったり、緊急出勤から変身バンクでかかる音楽なんかも、魔法少女モノでつかわれるような音ではないのが特徴。とはいえ、それが邪道な訳ではなくあくまでこの作品の世界観にとって非常に王道ど真ん中の劇伴になっている。作曲者は2023年の京伴祭にも出演されていた宮崎誠先生。なるほど、魔法少女が、今までの作品とは少し違い「カッコ良い、社会的にも地位のある人気職業」として認知されている世界で、王道の魔法少女的劇伴では少し世界観とブレが出る。宮崎先生は打ち込み、バンド問わずロック系の音が最も得意とするところ。なんなら劇伴をはじめに作曲した時にはオーケストラ作曲の事はわからず本を読みながら泣きそうになりながら作曲したという逸話の持ち主。そういった意味でも作品の色と非常にピッタリだなと思いました。

まだ一話だけしか放送されていないので、劇伴もわずかにしか流れていませんが、これからどんな曲が流れるのか今からとても楽しみです!

魔法少女モノ、というよりは

作品のタイトルからも読み取れる通り、「株式会社」がこの作品のメインなのだ。あくまで現実ベース。魔法と呼ばれるものもシステムエンジニアさん達が1からプログラミングして作っているソフトだったりするこの作品において、王道の劇伴はまさしくコレ!という出来だと感じた。ビジネスものとしての王道、魔法少女ものとしての戦闘シーンの組み合わせ。株式会社マジルミエは新しい王道作品なのかもしれない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です